東京高等裁判所 昭和26年(う)5227号 判決
よつて原審第七回公判(昭和二十五年九月二十九日判決言渡公判期日)調書の記載によれば、同公判期日には裁判官一松弘、裁判所書記官補橘うめ子列席の上公判を開廷した旨が記載されているのに、末尾における裁判所書記官補の署名は橘うめ子ではなく一松弘となつていることは所論のとおりであり、このような公判調書は刑事訴訟規則第四六条の規定に違反するもので、違法の調書であることは所論のとおりである。しかし、同第六回公判調書の記載を見れば、本件被告事件については昭和二十五年九月二十九日判決の宣告をする旨告知されていて、右第七回公判調書も亦同日附となつており且つ原判決第一頁右上方の裁判所書記官補の判決原本領収に関する記載にも右同日原判決は言渡された旨明記してあるところ等から考えれば、右のように判決言渡公判調書に不備違法があつても右言渡が不適法になされたものとは認められないので、右調書の違法は何等判決に影響を及ぼさないものと認めなければならない。結局論旨は理由がない。